フランス・オクシタニ地方ライドその6.2
土曜日の早朝、近所のミュレ=オーヌ丘陵群をライドすることにした。
薄着で出てきてしまったので、かなり肌寒く感じてしまう。8月中旬までは、ミュレでも40度に迫る暑い日が続いていたが、下旬になると気温は30度に届くかというくらいになり、朝夕はむしろ肌寒く感じるようになってきたからである(9月になると一層その傾向がはっきりしてきた)。
何度来ても素晴らしいところだと思う。
丘陵は波のような形をしていて、自分はその一つである波の頂上にいる。ずっと向こうまで他の波(丘陵)が打ち続いているのを眺めると、「今度は、あの向こうの波を登ろう」と思ってしまうし、そこを登ると、きっと「さらに向こうの波を登ろう」と思ってしまうことだろう。
自分が自転車にも乗れなかった幼いころには、よくこのような気持ちになった。遠出して、さらに遠くに行ってみたくて。しまいには道がわからなくなり、帰れなくなって大いに焦ったあのときの自分を懐かしく思い出す。
大人になってからはそういう気持ちがどこかへ行ってしまったが、この南フランス独特の丘陵を眺めていると、なぜかそういう気持ちが蘇ってくる。なぜだろう。
上田敏が翻訳したカール・ブッセ(Carl Busse)の詩「山のあなたの空遠く幸住むと人のいふ」はよく知られているが、この詩とは全く違った感情だ。「幸(さいわい)」とかそんな大それたものではなく、たださらに向こうへ行ってみたくなるのである。
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いつもの牧場で
みた2頭の馬たち。ここにライドしに来て、その姿をみない日はない。
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一休みしている
間に撮影した愛機の写真。光の加減が日々違ってきて、秋が近づいていることがわかる。
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リボネ城が
今日も遠くに見える。その一つ向こうの丘の上には何があるのか。
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初夏に咲き誇った
ひまわりたちも、今は枯れて下を向いているだけだ。
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来た道を戻る
ために新しく開拓したルート。