ガヤックのワイン祭り
ガヤック(Gaillac)は、南仏ではよく知られたワインどころである。前回のライドでブレロはサラベル(Sarrabelle)というドメーヌを訪問したが、そこで働くマダムから、近くガヤックでワイン祭りが開催されることを教えてもらった。
あとでネットで調べると、確かに8月1日から3日まで市内の公園でワイン祭りが開催されるという。このワイン祭りにはガヤック地方にある様々なドメーヌが出店し、訪問者に試飲サービスを提供するという。せっかくこんな近くでワイン祭りが開催されるのに、それに参加しない手はない。そう思ったブレロは、バカンスの一環として家族を連れて最終日(3日)にガヤックを訪れることにした。
祭りは午後5時にスタートし、コンサートなども行われ、11時すぎまで続く。今回も民泊を利用したブレロ一家は、荷物を宿に預けてから午後7時ごろ公園に到着した。事前にネットで購入したチケットのバーコードをスマホからチェックしてもらい、引き換えに紫色のリストバンドの参加証と試飲用グラスを受け取る。まずは公園の奥に行って、食事するためのテーブルと椅子を確保する。テーブルには妻氏とブレロ3号に残ってもらい、かわりにブレロはワインや食事を調達した。屋台で地元の食材を使ったハンバーガーやピザを購入し、偶然立ち寄ったレ・グレゼル(Les Grezels)というドメーヌのシャレー(仮設店舗)で試飲した白ワインが美味しかったので、瓶ごと1本買った。まだまだ空は明るかったが、公園の森や電飾のデコレーションやステージから聞こえている音楽が、非日常的な雰囲気を十分に醸し出していた。
もっとも、午後8時から9時にかけて祭りにやってくる人が劇的に増え、テーブルや椅子が明らかに足りなくなり始めた。ブレロ一家はもともと2つの小さなテーブルをくっつけて使用していたが、彼らの求めに応じてテーブルを1つ譲り、椅子も(3脚あれば十分なので)カバン置きに使っていたものは全部譲った(テーブルを譲るとき、ブレロ3号が機嫌を害して泣き出してしまった…)。ブレロ3号と妻氏がアイスクリームを買いに席を立ってしばらく時間が経過すると、空席だと思った他の参加者から「譲ってくれないか」という申出を何度も受けた。そのたびに同じことをいって断らざるをえないので、少しげんなりしてしまった。このワイン祭りは、入場可能な人数を制限したほうがよいのではないだろうか。
しかしそうした点を除けば、概してとても楽しい時間をすごすことができた。宿に戻る前に、もう一度「これは」と思ったシャレーの前で適当に試飲して、よいと思った赤ワインや白ワインを購入した。結局、食事のときにグレゼルの白ワインを1本空けて、お土産用に3本も購入してしまった。いずれも1本6ユーロから7ユーロ程度のワインであり、決して高くはないが、とても美味しくてコスパの良いワインだと思う。
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まだ空は明るいが
真夏の夜の幻想のような雰囲気を味わうことができた。こんな行事に毎年参加できるガヤックの人たちは幸せだなあと思う。
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参加者のために
事前に置かれていたテーブルや椅子が明らかに足りなくなりだした。
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ブレロ3号の
目の前の机は、机がなくて困っていた人たちに譲った。そのとき彼は泣き出してしまった。妻氏が彼に「アイスを買ってやる」というと、ぴたっと泣き止んだ笑。