南仏の小さな街のクリスマス
ブレロ一家が住んでいるミュレ(Muret)は、いまクリスマス一色であり、市内のニール通りに面したジャンジョレス広場では毎日様々な催し物が行われている。
いまどきは民族多様性(宗教多様性)の観点からクリスマスを大っぴらに祝うことも憚れたりするが、ここはまだそうではない。14日くらいからずっと毎日、何かしらのクリスマス・イベントがこの広場で開催されている。
そうした雰囲気に触発されて、ブレロはかつて(中学生のときに)愛読していた『ムーミン谷の冬』(トーベ・ヤンソン著)を思い出した。たしかあの小説の中では、冬眠に失敗したムーミンが、自分の知らなかった世界で繰り広げられる雪のお祭りに参加したのではなかったか?(残念ながら、ぼんやりとした記憶しかない)。 冬のムーミン谷ではムーミンは完全な異邦人である。それでも彼は、冬の生き物たちと折り合いをつけながら日々生活し、太陽が昇らない(北欧の)暗い一日を照らすキャンプファイヤーを囲みながら、年越しを楽しんでいたように記憶している。
いまブレロ一家も、あの小説の中のムーミンのような立場で、ミュレという南フランスの小さなコミューンで年を越そうとしている。ブレロ3号(3歳4か月)は、サンタさんと写真撮影するイベントに参加して、スタッフの女性からチョコレートをもらい大いに喜んでいた。願わくは、彼がここで得た経験が完全に忘れ去られることなく、その後の彼の人生に良い影響をもたらしてくれたらば、と思う。
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夜のジャンジョレス広場
即席のスケート場があり、木小屋(シャレー)の出店が立ち並んでいる。
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妖精をテーマにした
馬車によるクルーズ。子供向けのイベント。ブレロ3号は残念ながら定員オーバー。
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地元の方のバンド?
このように毎日なにかしらライブ・コンサートが催されている。マイクじゃなくてメガホンで歌っているのがほほえましい。