フランス・オクシタニ地方ライドその2.1
元旦の日のミュレ(Muret)はよく晴れた。ちょうどよい時間にブレロ3号(3歳児)がおひるねしてくれたので、ブレロは近所を初ライドすることにした。
目的地は街の南方にあるいつもの丘陵だが、今までよりもさらに奥まで行ってみることにした。
長い坂があったが愛機の1速で余裕で登れる優しい坂であった。登りつめると360度見渡せる雄大な景色に出会うことができた。
背後にうねる丘陵、左前方に夕日に向かってずっと続く平野、右前方にピレネー山脈であろう薄紫色の山影。
これは素晴らしい。ここに越してきたばかりのころのブレロは、ミュレの周りはつまらないフランス的平野ばかりだと思っていたが、そうではなかった。ブレロは北海道の美瑛をレンタ・サイクルしたことがあるが、美瑛に匹敵する場所がこんな近くにあったのだ※。
さらに南方の丘陵の稜線上に不思議な木立がみえる。目を凝らせばその下を歩いている人影もみえる。桃色に染まり始めた空を背後に、限りなく黒に近い藍色のシルエットが美しい。なぜあそこだけ並木道になっているのだろう。探求心が尽きることなくわいてくるが、もう帰らないといけない。「近所」といっても、少し遠出しすぎた。
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このあたりは
ぎりぎりミュレの行政区内らしい。
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坂を登る途中で
出会った七面鳥?こんな動物を飼育している人も、ここにはいるんだなあ。
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夕日を背に
休耕地と化した畑を撮影。
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まるで美瑛の
セブンスターの木のような。日が翳っているのでシルエットだけ。
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ここは標高約300M
くらい。丘陵の縁なので平野が見渡せる。
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あの並木道は
いったいなんだろう。なぜあそこで並木道になっているのか。いずれにせよ詩的だ…。
体感で標高差100メートルくらいの坂を下る。これはあとでデータを確認してみると本当にそうだった。標高294メートルから194メートルまで下るこの坂は、美しい一本道だった。帰路の途中で日は沈んでしまい、予定よりも45分長いライドになってしまった。データを確認すると、総距離は約25キロにもなっていて、これはもう本格的なサイクリングに近い。
今回は冒険の要素が強い行き当たりばったり的なライドだったが、ルートの記録を見直して本格的なライドのためのコース設定をしなければ。そう思わせてくれた初ライドだった。
※ 美瑛をサイクリングしたときは電動アシスト車を借りた。あそこは、景色はとても美しいのだが、電動アシストか本格的なロードバイクでないと登れない坂がいくつもある。しかしこちらの丘はBrompton S6Lでも大体登れる。